2020年1月、第7回無料塾セミナーに出席しました

2020年1月19日まなびやさん塾長の無料塾等訪問記録

2020年1月18日。
新小岩で開かれた「第7回無料塾セミナー」に参加してきました。
認定NPO法人八王子つばめ塾理事長の小宮位之様、一般社団法人慈有塾代表の高木実有様から、無料塾の現場についてのお話を直接聞くことができました。

八王子つばめ塾は八王子周辺を拠点とし、中学生を中心とした学習支援を行っています。
慈有塾は多摩市に本部を置き、中卒者や高校中退者を対象に高卒認定試験や大学受験のための学習を支援している、数少ない無料塾の中の一つです。

◆「高校を卒業したら働きたい」という生徒になんと声をかけるべきか?

以下は今日のセミナーを聞いた私の感想です。
特に慈有塾についてのお話を聞かせていただくのは初めてだったので、とても勉強になりました。

自塾で授業をしていると、生徒から高校を出たら働きたいと言われることがあります。 (ご家庭に経済的な余裕がある場合でも)
塾長として、こういった生徒になんと声をかけたらいいのか?
ずっと考えていました。
その答えのヒントになりそうなものが見つかったような気がします。

大学へ行けない奴は高校を卒業したら働けばいい。
高卒で就職をしてもしっかり努力をすれば、豊かに生活できる。そういう人はたくさんいる。
私は私の親世代からそういった話を聞かされて育ってきました。
確かに、大まかにはその通りだと思います。

ではなぜ、お金も余裕もないのに片道2時間もかけて慈有塾に通いたいという生徒さんがたくさんいるのか。
週6で働きながら勉強してでも、高認を取って大学へ入りたいという大人たちがいるのか。
その人たちは「努力が足りなかったから失敗し貧困に陥った」のか?

多分違いますよね。

今日伺ったお話では、高卒で就職する人の割合はたった14%
社会全体で見ると圧倒的なマイノリティです。
彼らは労働市場で、専門卒や大卒以上の人材と戦わなければなりません。

この戦いを勝ち抜いて待遇の良い(安定した)仕事を得るためには、専門卒者や大卒者のネームバリューや専門性を超えるようなスキルを身に付けていることが必要です。
競争相手の少ない新卒での就職はうまくいくかもしれませんが、倒産、リストラ、病気や介護等による転離職があれば、あっという間に非正規雇用になってしまうのは簡単に想像できます。
社会の構造として、日本は高卒者や中卒者が圧倒的に不利になるようにできているんです。

高度経済成長と終身雇用に支えられていた昭和の時代と比べて、平成以降は高卒労働者が(離職などのトラブルに見舞われても)安定して生活することが非常に難しくなっているのではないかと考えています。

本人の意思を最大限に尊重する。だが、現実から目を背けてはいけない。

「高校を出たら働きたい」と相談してきた生徒(ご家庭は進学を希望しており、経済的にも進学の選択肢があるとのことです)は、こうも言っていました。
「早く自立して親の負担を減らしたいです。医者や弁護士みたいにお金持ちになれなくても、安定した普通の暮らしができればいいんです。」

これからは上に書いた話を聞かせたうえで、こう答えたいと思っています。

「高校を卒業したら働きたいというあなたの考えには賛成です。
あなたがやりたいことを目指すべきだと思う。

ただ、たとえ高校で簿記などの資格を取ったとしても、さっき説明したとおりに『安定した普通の暮らし』を実現するのはとても難しいと思います。
14%の少数派の道へ進むからです。

あなたには、大学や専門学校で何年間も勉強して社会に出た人たちよりもすごい!と言えるような特技や強みはありますか?
もし高卒で就職したうえで『安定したい』のなら、高校の3年間のなかでそれを身に付ける覚悟と努力が必要
です。

一番簡単なのは、勉強です。
高校でトップの成績を取り、いつでも大学に合格できるくらいの学力を身に付ければいい。
そうしたら、働いてみて『やっぱり大学で勉強したいな』と思ったら、その時に大学に入ればいいんです。
もちろん、高校でアルバイトをしながら会社の経営の勉強をしたり、誰にも負けないような特技を身に付けたりしてもいいと思います。
それだけ強い気持ちで「高卒で就職する」ことを希望しますか?

そのどっちも無理だとか、面倒くさいと思うなら、進学することが『安定した普通の暮らし』への一番の近道です。
とりあえずは、無条件で86%の集団の方に入ることができます。
進学先で本当にやりたことが見つかるかもしれません。

ご両親に早く楽をさせてあげたいというあなたの思いはとても優しいと思います。
ただその選択は、あなた自身の幸せを後回しにしてしまう可能性もあります。
どっちが自分の本当に選びたい進路なのかよく考えてみて、もし迷ったらまたいつでも話を聞かせてくださいね。」

Posted by まなびやさん