
こんにちは、小論文の専門塾まなびやさんの古澤です
このページでは都立日比谷高校の小論文の過去問を紹介しています!

過去に出題されたテーマの一覧と、そのテーマが出題された理由をまとめたよ!
(※過去問は高校の公式HPで入手できるよ!)

テーマの背景が分かると、応用力がついて似た問題が解きやすくなるんだって。
小論文対策に活用してね!
日比谷高校の過去問(小論文・令和8年度)

まずは令和8年(2026年の入試)から!
1.設問の内容&字数
(問1)資料を見て、青少年のインターネットの利用状況(利用の目的、経験したトラブルなど)について説明する(220〜260字)
(問2)これからの社会で、AIが担うべき仕事、AIには代替できない仕事、AIと共存して行うべき仕事を、それぞれ一つ挙げる。
また、なぜそう考えるのか説明する(360〜400字)
2.過去問のテーマ

過去問中の資料をふまえて、設問の内容を大まかに説明します!
令和8年度は「青少年のインターネット利用」と「AIとの向き合い方」について出題された。
現在、青少年(17歳以下)の約85%がスマートフォンでインターネットを利用している。
その内容は、動画を見る/SNSをする/検索する/勉強するなど様々だ。
インターネットは誰もが手軽に利用できる。
しかし、だからこそトラブルも多い。
資料によると、半数近くの青少年が迷惑メールを受け取る、フェイクニュースに遭遇するなどのトラブルを経験している。
近年ではAI(ChatGPTやGeminiなど)が急速に発達しており、迷惑メールやフェイクニュースはより巧妙になっていくことが予想されている。
「青少年」である日比谷高校の受験生として、この状況をどう考えるか。
青少年のインターネット利用にはどんな問題点があり、何に気をつけるべきなのか?
その問題点を踏まえた上で、私たちはインターネットやAIをどう活用していけばいいのか?
社会への関心や意識が問われる問題。
3.この問題が出題された背景

問題文には書かれていないけど、過去問を解くために大切な背景知識を説明します!
この記事はまなびやさん塾長の分析を紹介するものです。
高校の公式見解ではありませんのでご了承ください。
YouTube、LINE、地図にショッピング…インターネットはとても便利で、私たちの生活に多くのメリットをもたらしています。
その反面、インターネットには様々なデメリットもあります。
たとえばスマホ依存、フェイクニュース、SNSでのいじめやひぼう中傷などです。
最近では闇バイトのように、若者がSNSで騙され、犯罪に利用されてしまうニュースも報道されていますよね。
インターネットは発達が速すぎて、それを利用する人間の方が対応しきれていないという問題があります。
そんな中、2022年に世界を大きく変革させる出来事が起きました。
ChatGPTの公開……世界中の人たちが「生成AI」を使えるようになったんですね。
それから(この記事の公開時点で)4年近くが経った今でも、生成AIは急速な進歩を続けています。
文章も、写真も、動画も、実物と見分けのつかないものを簡単に作れるようになりました。
生成AIの進化は、これからもっと速まっていくと言われています。
アメリカ・イスラエルとイランとの戦争(2026年)では、戦略の立案に生成AIが利用されました。
AIが人の生死を決める事態が、すでに起きているんですね。
それに、「フィジカルAI」という、生成AIを搭載したロボットも実用化しつつあります。
AIがパソコンの画面を飛び出して、もうすぐ私たちのリアルな生活の中に入ってきます。
そんな近い将来に、私たちはAIとどう付き合うべきでしょうか?
AIに何を任せ、人間は何を担い、どのようにAIと協力すれば、私たちは幸せに生きていけるでしょうか?
上に書いたように、人間はインターネットにさえ対応しきれていません。
そんな人間がAIと共存するためには、今のうちから知識をつけ、準備しておく必要があります。
生成AIは万能でとても強力なので、これからインターネット以上に大きな問題が起きると考えられています。
そんな時代を生きる受験生には、「自分はインターネットやAIとどう付き合うか」について具体的に意見を持っていてほしい。
このような背景から、この問題が出題されています。
4.おすすめキーワード(小論文対策)

令和8年度に出題されたキーワードを紹介するよ!
他の過去問を解く時にも役立つから、ぜひ覚えておいてね!
- 情報通信機器|じょうほうつうしんきき
情報をやりとりするための道具のこと。
例)スマートフォン、パソコン、携帯電話など
- インターネット・リテラシー
インターネットの仕組みを理解し、安全に使いこなす力のこと。
例)個人情報を書き込まない、スマホを使う時間を自分でコントロールできる など
- SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
インターネット上で人とつながったり、情報を発信し合ったりするサービスのこと。
テレビのように一方通行ではなく、「双方向のやり取り」があるのが特徴。
例)LINE、Instagram、Xなど。
便利な反面、知らない人とのトラブルや、詐欺などの犯罪が増える原因にもなっている
- アルゴリズム
SNSが「次に何を表示するか」を決めるプログラミングのルールのこと。
例)過去に見たり「いいね」した動画と似た動画が、次々におすすめされる
自分の興味のある情報ばかりが表示されてしまい、かたよった考えに陥りやすくなる(これを「フィルターバブル」と呼ぶ)
- アテンションエコノミー
私たちの注目が、金銭的な価値に変換されること。
アテンションは「注目・関心」、エコノミーは「経済」という意味。
例)YouTubeやSNSは、より多くの人に長く見てもらうほど広告収入が増える。
そのため、SNSを運営する企業は、私たちがついスマホを見続けてしまうようにアプリを設計している。
- スマホ依存
スマートフォンを手放せなくなり、健康や生活に支障が出てしまう状態のこと。
行き過ぎたアテンションエコノミーによって起きる。
例)歩きながらスマホを見てしまう、寝る前のスマホがやめられなくて睡眠不足になる など
- フェイクニュース
本当のように見せかけたウソの情報のこと。
過激な情報は多くの人の注目を集めるため、アテンションエコノミーの仕組みで収入を得ようとする人がわざとデマを流すことも多い。
例)地震が起きた時、「建物が崩れた」「動物園から猛獣が逃げた」などのデマがSNSで広がる
- ディープフェイク
AIを使って本物そっくりにつくられた偽の画像や動画のこと。
例)敵対する政治家のニセ動画をSNSで拡散し、信用を失わせる など
巧妙なディープフェイクを利用したフェイクニュースを見破ることは非常に難しく、問題になっている。
- 生成AI|せいせいえーあい
文章や絵、音声などを作り出すことができる人工知能のこと。
例)文章生成AI:ChatGPT、Geminiなど
音楽生成AI:Suno など
「8」のディープフェイクは、この生成AIを使って作られている。
- シンギュラリティ
AIが人間の知能を超え、社会が大きく変わる転換点のこと。
日本語では「技術的特異点(ぎじゅつてきとくいてん)」と訳される。
例)将来、AIがAI自身をどんどん改良し、人間には予測できないほど急速に賢くなると言われている。
本当に起こるのか、いつ起こるのかについては専門家の間でも意見が分かれている。
日比谷高校の過去問(小論文・令和7年度)

次は令和7年(2025年)の過去問!
1.設問の内容&字数
(問1)資料を見て、60歳以上の人たちの金融資産(貯蓄額など)がどのように変化(増減)しているか説明する。
その理由についても述べる(160〜200字)
(問2)高年齢層の資産を若い世代に移すための施策を考える。
少子化の背景や対策も踏まえる。(400〜450字)
2.過去問のテーマ

過去問中の資料をふまえて、設問の内容を大まかに説明します!
令和7年度は「高齢者にかたよっている金融資産」と「少子化対策」について出題された。
年齢別に見ると、日本では高齢者が多くの資産を持っている。
病気や介護にかかるお金に不安を感じているため、貯めたお金を使いづらい状況にある。
一方で、若い世代は資産が少ない。
経済的な余裕のなさが、(お金のかかる)結婚や出産をためらわせ、少子化の一因になっている。
高齢者の不安を解消しつつ、その資産を若い世代へ移す方法を考える問題。
3.この問題が出題された背景

問題文には書かれていないけど、過去問を解くために大切な背景知識を説明します!
この記事はまなびやさん塾長の分析を紹介するものです。
高校の公式見解ではありませんのでご了承ください。
今の日本では、高齢者が多くの資産を持っています。
理由の一つは、高齢化が進んだことです。
高齢者の人口が増えれば、当然、高齢者全体の資産の合計も多くなります。
理由の二つ目は長寿化です。
平均寿命が長くなったため、相続が発生する年齢も高くなりました。
たとえば、80歳以上の人が亡くなった場合、その財産を受け継ぐ子どもは50歳以上の場合が多いです。
つまり、長寿化で相続の起きるタイミングが遅くなったために、年齢の高い人たちの間で資産が循環しているんですね。
高齢世代は病院や介護にかかるお金に不安を感じているため、貯めたお金をほとんど消費しません。
そのため、日本全体のお金のかなりの部分が、銀行に預けられたままになっています。
一方、日本では少子化が大きな課題になっています。
若い世代(20代など)はまだ仕事が安定せず、結婚したり家を借りたりする経済的な余裕がない場合も多いです。
この、経済的な余裕のなさが結婚や出産をためらわせ、少子化の一因になっています。
もし、高齢者の資産をうまく(高齢世代・若い世代両方にメリットがある形で)若い世代へ移すことができれば、少子化を改善できる可能性があります。
少子化が改善すれば、国の税収や介護などの担い手が増え、高齢者の不安解消にもつながります。
高齢世代と若者世代…利害が対立しているように見える両者が、お互いに得をする方法でこの問題を解決できるか?
論理的な思考力を試すために、この問題が出題されています。
4.おすすめキーワード(小論文対策)

令和7年度に出題されたキーワードを紹介するよ!
他の過去問を解く時にも役立つから、ぜひ覚えておいてね!
- 金融資産|きんゆうしさん
お金に関する財産のこと。
例)銀行の預金、株式など
(⇔不動産=土地や建物に関する財産)
- 流動性預金|りゅうどうせいよきん
いつでも出し入れできる(=流動的な)預金のこと。
例)普通預金…ATMでいつでも引き出せる
- 定期性預金|ていきせいよきん
銀行に一定期間預けておくお金のこと。
例)「5年満期」の定期預金…一度預けたら5年経つまで引き出せないが、利息は普通預金より高い
- 相続|そうぞく
亡くなった人の財産を、家族などが受け継ぐこと。
- 被相続人|ひそうぞくにん
相続の時、財産を「ゆずる側」の人(=亡くなった人)のこと
例)父が亡くなり、その財産を子が受け継ぐ場合
父=被相続人(相続「される」人) / 子=相続人(財産を相続「する」人)
- 少子化|しょうしか
生まれる子どもの数が少なくなること。
子ども(=若い世代)が減ると、大きな問題が2つ起こる。
問題1:働く人が減る
→医療や介護、建設や物流など「モノやサービスを作る人」が減る
問題2:税金を納める人が減る
→税収(=国の収入)が減る
つまり、少子化が進むと政府のお金が減ると同時に、働き手も減るというダブルパンチになる。
日比谷高校の過去問(小論文・令和6年度)

次は令和6年(2024年)の過去問!
1.設問の内容&字数
(問1)関東大震災について。
資料を見て、東京で被害が広がった原因を3つ挙げ、説明する(140〜160字)
(問2)新しい地図記号を考え、その記号の意味、そのデザインにした理由、その記号が新しく加わることで社会的にどんな意義(メリット)があるのかを、資料を参考に述べる(400〜440字)
2.過去問のテーマ

過去問中の資料をふまえて、設問の内容を大まかに説明します!
令和6年度は「地震と防災」「新しい地図記号」がテーマ。
まず、関東大震災の被害が大きくなった原因を歴史から学ぶ。
時間帯や人口密度の関係で火災があっという間に広がったため、震災の犠牲者は10万人を超えた。
それをふまえて、将来再び災害が起きたときの被害を小さくするためにできることを考える。
関東大震災を記録した石碑は各地に存在するが、私たちはそれを意識したことがあるだろうか?
もしないとしたら、それは何が原因だろうか?
どうしたら、過去の被災者が残した記録を、将来の被災者を減らす(=減災の)ために活用できるだろうか?
国土地理院が取り組むプロジェクトに対し、自分なりの考えが示せるかを試す実践的な問題。
3.この問題が出題された背景

問題文には書かれていないけど、過去問を解くために大切な背景知識を説明します!
この記事はまなびやさん塾長の分析を紹介するものです。
高校の公式見解ではありませんのでご了承ください。
この問題が出題された2023年は、関東大震災(1923年)からちょうど100年目でした。
関東大震災が起きたのはお昼だったため、大規模な火災が起き、10万人以上の死者が出ました。
関東大震災から100年経った今、日本では「南海トラフ地震」のリスクが高まっています。
この地震について、気象庁は以下のように説明しています。
南海トラフ巨大地震がひとたび発生すると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されています。
また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。
出典:南海トラフ地震で想定される震度や津波の高さ|気象庁(最終アクセス:2026/6/16 ※下線は筆者による)
南海トラフ巨大地震は、近いうちに必ず起きると言われています。
必ず来ると分かっているのだから、今から準備ができるはずです。
その一つとして国土地理院が取り組んでいるのが、問2のテーマである「自然災害伝承碑を地図記号化すること」です。
災害で被災した昔の人は、その記録を石碑に刻んで残しました。
「洪水でこの高さまで水が来た」のような石碑があれば、そこに住む住民の危機意識が高まり、将来の被災者を減らせると考えたからです。
しかし現実には、石碑を読む人は多くありません。
実際、水害を伝える石碑があったのに、誰も読んでいなかったために被害が大きくなってしまった地域があるそうです。
被災者が残した石碑という遺産を、今の人たちの命を救うために生かせないか?
それが問2のテーマです。
・災害の被害はなぜ大きくなるのか?(歴史の視点で考える力)
・防災、減災のために重要な要素は何か?(論理的に考える力)
・多くの人に分かりやすく伝えられるか?(文章力)
学校で学んだ知識を、「防災・減災」という具体的な社会課題の解決のために生かせるか、その力が問われる問題です。
4.おすすめキーワード(小論文対策)

令和6年度に出題されたキーワードを紹介するよ!
他の過去問を解く時にも役立つから、ぜひ覚えておいてね!
- 関東大震災
1923年(大正12年)9月1日の午前11時58分に発生した、日本史上最大の自然災害。
マグニチュードは7.9。犠牲者は10万人を超えた。
- 旧東京市
太平洋戦争の前、東京都は「東京府」という名前だった。
その中心にあったのが東京市。
(現在の自治体で例えると、「千葉県」の中に「千葉市」がある。それと同じイメージ)
位置や形は、今の東京23区とだいたい同じと考えればOK。
- 人口密度|じんこうみつど
ある面積の中に、どれくらいの人が住んでいるかを表す数字。
「人口密度が高い」とは、狭い土地に大勢の人がぎゅうぎゅうに住んでいる状態。
当時の旧東京市15区は今の23区よりも人口密度が高く、木造の家が密集していた。
そのため火事が燃え広がりやすく、被害が大きくなった。
- 国土地理院|こくどちりいん
日本の地図作りや測量を担当している国の機関。
正確な地図を作ったり、地図記号を定めたりしている。
- 地図記号
どんな人も見ただけで記号の意味がイメージできるように、デザインが工夫されている。
例)
・神社…鳥居(とりい)
・警察署…警棒を交差させた形
・消防署…刺股(さすまた=昔の消火道具)
- 自然災害伝承碑|しぜんさいがいでんしょうひ
過去に起きた災害(地震・津波・洪水など)の記録を、後世に伝えるために作られたモニュメント(石碑など)。
「ここまで津波が来た」など具体的な記録が刻まれ、未来の人々に防災意識を伝える役割がある。
地震で倒壊した建物のレンガで作るなど、被害の生々しさを伝える工夫がされているものもある。
- 災害伝承の例
「津波てんでんこ」が有名。
東北の三陸地方に伝わる教えで、「津波が来たらまわりのことは気にせず、てんでんばらばらに早く逃げろ」という意味。
津波では、(すでに避難済みの)家族を探し回るうちにお互いに逃げ遅れてしまうことがある。
緊急時には自分の避難を最優先することで、結果的に多くの人が助かるという意味がある。
出典:津波てんでんこ|Wikipedia(最終アクセス:2026/6/16)
- 南海トラフ巨大地震
太平洋側の海底にある「南海トラフ」という大きな溝(大陸プレートと海洋プレートの境界)を震源として、近い将来に起きると言われている巨大地震。
広い範囲で強い揺れと大きな津波が予想されており、いま日本が備えなければならない最大級の災害の一つ。
- 首都直下地震|しゅとちょっかじしん
東京など大都市の真下で起きる大地震のこと。
人口が集中する場所で起きるため、関東大震災と同じように、建物の倒壊や火事による甚大な被害が心配されている。
日比谷高校の過去問(小論文・令和5年度)

次は令和5年(2023年)の過去問!
1.設問の内容&字数
(問1)資料を参考に、地方の鉄道で赤字が続く理由を説明する(200~240字)
(問2)公共交通機関の赤字問題と同じように地方が抱える問題を一つ挙げ、その問題点と解決方法を考える(340~400字)
2.過去問のテーマ

過去問中の資料をふまえて、設問の内容を大まかに説明します!
令和5年度は「地方鉄道の赤字問題」と「人口減少・自動車社会」について出題された。
日本は、他の先進国と比べて鉄道による旅客輸送の割合が高い国だ。
日本中のほぼすべての地域に鉄道があり、安い値段で好きな場所に移動できる。
鉄道は私たちにとって欠かせない交通手段だ。
しかし、特に地方では大幅な赤字に陥る鉄道が増えている。
その背景には地方の過疎化・高齢化と、自動車社会化が関係している。
地方が抱える様々な課題について、住民の高齢化と交通手段をもとに考える問題。
3.この問題が出題された背景

問題文には書かれていないけど、過去問を解くために大切な背景知識を説明します!
この記事はまなびやさん塾長の分析を紹介するものです。
高校の公式見解ではありませんのでご了承ください。
近年、日本の地方部では高齢化と人口減少が進んでいます。
しかし人口が減る一方、車の保有台数は増加し続けています。
特に地方では、多くの人が日常的に車を利用しています。
その結果、地方では鉄道の利用者が減り、多くの路線が赤字になっています。
鉄道は民間企業が運営しているため、赤字が続けば倒産してしまいます。
しかし鉄道は、車を運転できない人にとっては大切な交通手段です。
簡単に廃止はできません。
人口が減り、赤字の鉄道が増えていく中で、地域の交通をどうすれば維持できるのか?
大きな課題になっています。
社会課題に対し、自分の意見を論理的に述べる力を確かめるために、この問題が出題されています。
4.おすすめキーワード(小論文対策)

令和5年度に出題されたキーワードを紹介するよ!
他の過去問を解く時にも役立つから、ぜひ覚えておいてね!
- 旅客輸送|りょかくゆそう
人を運ぶこと。(⇔ 貨物輸送 …荷物を運ぶこと)
- モータリゼーション
多くの人が移動に車を使う社会のこと。車社会。
車のエンジン(=モーター)が語源。
メリット:自分の好きなタイミングで、好きな場所に移動できる
デメリット:電車やバスの利用者が減る、渋滞が起こる、排気ガスが増える、ガソリンなど維持費がかかる など
- 交通インフラ
人や物が移動するための基盤になるもの。
例)道路、橋、信号、鉄道、バス、空港 など
インフラ=インフラストラクチャー(基盤・土台)の略。
人口が減ると地方自治体の税収が減り、交通インフラを整備できなくなる。
- 過疎|かそ
地域の人口が大きく減り、生活を支える仕組みに支障が出ること。
人口が減るとその地域で働く人が減る。
すると、生活に欠かせない施設が運営できなくなり、ますます人口が減ってしまう。
例)人口が減ると…
→働く人が減る
→生活に欠かせない施設(病院・介護施設など)が運営できなくなる
→ますます人口が減る
- 交通弱者|こうつうじゃくしゃ
自力で移動することが難しい人のこと。
例)(公共交通の少ない地域の)車を運転できないお年寄り、子ども、体の不自由な人など。
車がないと病院などに通えないお年寄りも多く、地方では交通弱者の問題が深刻化している。
- 運転免許の自主返納|じしゅへんのう
自分の意思で運転免許を返し、車の運転をやめること。
免許の返納は安全のために大切だが、免許を返した高齢者が交通弱者になってしまうという問題がある。
- コミュニティバス・乗合タクシー|のりあいたくしー
民間のバスや鉄道が営業できない地域で、公共交通を維持するために考えられた仕組み。
・コミュニティバス …市町村などが運営する、料金の安い小型バス。
・乗合タクシー …同じ方向に行く人が同じタクシーに一緒に乗る仕組み。
例)バス路線が廃止された地域で、お年寄りが病院や買い物に行けるよう、予約制の乗合タクシーを走らせる
日比谷高校の過去問(小論文・令和4年度)

次は令和4年(2022年)の過去問!
1.設問の内容&字数
(問1)資料を見て、日本の再生可能エネルギーの取り組みについて、ヨーロッパと比較して説明する(200~240字)
(問2)温暖化対策に取り組むことで、本来の目的(=温暖化の防止)以外に得られる副次的な効果を二つ挙げる。
(例:家に太陽光パネルを設置する→家庭の電気代節約になる)
また、温暖化対策を進める中で生じる問題についても述べる(340~400字)
2.過去問のテーマ

過去問中の資料をふまえて、設問の内容を大まかに説明します!
令和4年度は「地球温暖化対策」と「再生可能エネルギー」について出題された。
地球温暖化は全世界が直面する環境問題だ。
手を打つのが遅れれば、人類全体の存亡にかかわる。
この問題に対応するため、各国は様々な目標を掲げている。
日本の場合、2030年度までに温室効果ガスを46%削減(2013年度比)することを表明している。
この目標を達成するためには、再生可能エネルギーの推進が不可欠だ。
しかし、日本はヨーロッパと比べて再エネの取り組みが遅れている。
そのキーワードは、「発電コスト」と「電力網」(電気を送る仕組み)だ。
日本の再エネ活用がなぜ遅れているのか、どうすれば改善するのかを、資料をもとに考える。
また、再エネは決して夢のエネルギーではない。
メリットもあれば、デメリットもある。
再エネについてメリット・デメリットの両面から考え、2030年度の目標達成のためには何が必要なのかを考える問題。
3.この問題が出題された背景

問題文には書かれていないけど、過去問を解くために大切な背景知識を説明します!
この記事はまなびやさん塾長の分析を紹介するものです。
高校の公式見解ではありませんのでご了承ください。
今、地球温暖化が世界的な問題になっています。
この問題を解決するためには、再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱発電など)を増やすことが必要です。
しかし、ヨーロッパと比べて、日本は再生可能エネルギーを使った発電が進んでいません。
その理由として、たとえば再生可能エネルギーを使う発電は、火力発電と比べてコストがかかります。
(コスト …発電所を作ったり、維持したりするためのお金)
また、ヨーロッパと比べると、日本は電力網(※下記「キーワード」参照)が整っていません。
そのせいで、電気が余っている地域と不足している地域とで、電気を融通し合うことが難しいです。
そのため、余った電気が無駄になってしまうという課題があります。
再生可能エネルギーにはメリットとデメリットがあります。
メリットを生かし、デメリットを克服するにはどんな方法があるのか?
複数の視点で考える力が問われる問題です。
4.おすすめキーワード(小論文対策)

令和4年度に出題されたキーワードを紹介するよ!
他の過去問を解く時にも役立つから、ぜひ覚えておいてね!
- 地球温暖化
地球全体の気温が上がっていくこと。
猛暑、大雨、海面上昇など、様々な災害につながる
- 温室効果ガス|おんしつこうかガス
温暖化の原因になる、地球の熱を逃げにくくする気体のこと。
例)二酸化炭素、メタン、フロンなど
物を燃やすと二酸化炭素が発生する。
特に石炭を使った火力発電は温暖化の一因になっている
- 再生可能エネルギー
太陽光、水力、風力、バイオマス、地熱など、くり返し利用できる自然エネルギーのこと。
発電時に二酸化炭素をほぼ放出しないため、温暖化を止めるための切り札になっている
- 発電コスト
電気を作るためにかかる費用のこと。
例)発電所の建設や運営、太陽光パネルなどの設備の設置・修理など
発電コストが高いと、電気料金も高くなる
- 太陽光発電
太陽の光を使って電気を作る方法。
▶メリット:
・太陽光パネルを設置するだけなので、(発電所の建設が必要な)他の発電方法と比べて、着工から運転開始までの期間が圧倒的に短い
・町の中や住宅など、狭い場所にも設置できる
▶デメリット:
・時間帯や天候により、発電量に大きな差がある
(日照量の多い夏や昼間は発電量が多いが、冬や夜間、雨の日は発電できない)
- 水力発電
高い所から低い所へ流れ落ちる水のエネルギーを利用し、水車を回すことで電気を作る方法。
ダムなどに貯めた大量の水を使って発電する。
▶メリット:
・天候や時間帯に関係なく発電できる
・必要な時に、必要なだけ発電できる(ダムの放水量を調節すれば良いので)
・エネルギー変換効率が高い
▶(参考)エネルギー変換効率
水力 …約80%火力 …約40~50%
風力…約40%
原子力…約35%
バイオマス …約25~40%
太陽光 …約20%
(出典:太陽光発電の「発電効率」や「変換効率」とは?|東京ガス(最終アクセス:2026/6/16)
▶デメリット:
・建設に適した場所がもうない
→ダムに適した場所はすでに開発され尽くしているため、発電所をこれ以上増やせない
・建設に時間とお金がかかる
→ダムを1つ新設するには数百億〜数千億円が必要になる。
さらに、事前の環境影響評価(アセスメント)や周辺住民の立ち退き交渉、工事を合わせると、運転開始までには10年以上の歳月がかかる。
- 風力発電
風の力で巨大な風車を回すことで電気を作る方法。
▶メリット:
・強い風が吹いていれば、季節や時間帯を問わず発電できる
▶デメリット:
・風の強さや風向きによって発電量が左右される
→電力の安定供給が難しい
・年間を通じて風が強い場所は限られている
- バイオマス発電
動植物から生まれた資源(バイオマス)を燃料にして電気をつくる発電方法
▶燃料の例:
建設現場で出た廃材(木材)
家畜の排せつ物
生ごみ
可燃ごみなど
▶メリット:
・天候に左右されない
・(風力や水力などと違い、)特定の地形でなくても発電所を建設できる
▶デメリット:
・コストが高い
→木材など、燃料の運搬にお金がかかる。
(太陽光や水力などは自然のエネルギーをそのまま利用するので、燃料にコストがかからない)
- 地熱発電|ちねつはつでん
・地下深くのマグマで温められた高温の水蒸気を掘り出し、その勢いでタービン(巨大な羽根車)を回すことで電気を作る方法。
▶メリット:
・いつでも発電できる
→時間帯や天候の影響を受けず、安定して発電できる
・国内に資源が多い
→日本は火山が非常に多いため、地熱の資源量が多い
▶デメリット:
・開発に時間とお金がかかる
→地下深くを掘るため、「掘ってみたけれど十分な蒸気が出なかった」というリスクがある。
調査から発電所の建設までには平均10年以上の歳月と、莫大なコストがかかる。
・地熱源の多くが温泉地や国立公園の中にある
→地熱資源がある場所の多くは、温泉街や国立公園と重なっている。
地元の人たちの「温泉が枯れるのではないか」という不安を解消したり、国立公園の自然を守りながら進める必要があるため、開発に時間がかかる。
出典:「地熱発電とは?種類は?メリット・デメリットや仕組みを紹介!日本の課題や普及率を簡単に解説|Spaceship Earth」(最終アクセス:2026/6/20)
- 電力網|でんりょくもう
発電所で作った電気を家庭や工場へ届けるための仕組み。
例)変電所、送電線など
再エネ発電は発電量が不安定なため、地域同士で電気を融通し合う(電気が余っている地域→足りない地域へ、スムーズに送れる)ことが重要。
しかし、日本はヨーロッパと比べて電力網の整備が遅れており、今回はその点が出題された。
解説してほしいキーワード募集!

このページの過去問で「このキーワードも解説してほしい!」というものがあったら、ぜひお問い合わせフォームから教えてください!

「メッセージ本文」のところに、そのキーワードを解説してほしい理由も書いてくれると嬉しいです!
その方がわかりやすく書けるんだ!
小論文上達のコツ

上達のコツは、何といっても過去問演習です。
志望校と似た形式の過去問をいくつも(少なくとも3~4年分×3周くらい)解いてみてください。

答案の書き方にはコツがあるから、それを身につければどんなテーマでも対応できるようになるよ!

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