
こんにちは、まなびやさんの古澤です
今日は高校入試の小論文、その中でも「グラフ・資料読み取り型」小論文の書き方を解説します!

都立日比谷、戸山、青山高校など、多くの高校で出題される形式ですね!

はい!
実は、この記事を書く前に「小論文 書き方」で検索してみたんです。
そしたら、分かりにくい情報が多かったんですよね…
- 「自分の考えを整理しよう」のような、意味のない情報が多い
(どう整理するか?が知りたいのに)
- 「序論・本論・結論」のような、グラフ読み取り型では使えない方法を紹介している

特に「グラフ読み取り型」と「テーマ・課題文型」を混同した情報が多かったです。

なので、この記事では「グラフ読み取り型」小論文の正しい書き方を解説します!
1.高校入試小論文の「3つの種類」

高校入試の小論文には、大きく3つの種類があります。

1つ目はテーマ型!
内容の自由度が高いのが特徴だよ
パターン①:「テーマ型」小論文
- 「自由」とは何か?あなたの意見を書きなさい
- 「コミュニケーション力」とはどんな力か?体験をもとに書きなさい
→ 抽象的なテーマが与えられるパターン。
かなり自由に書いてOK。
三段構成(序論→本論→結論)が使いやすい。
出題校の例:都立豊多摩(作文)、大江戸(作文)など

2つ目は課題文型!
テーマ型と比べると少し自由度が低いよ
パターン②:「課題文型」小論文
「この課題文についてあなたの考えを述べなさい」
→ 課題文が与えられるパターン。
「課題文に対する意見」を書くため、①よりも自由度が低い。
これも三段構成が使いやすい。
出題校の例:都立西、国立、駒場 など

3つ目はグラフ・資料読み取り型。
3つのうち最も自由度が低いです
パターン③:「グラフ・資料読み取り型」小論文
「資料(グラフなど)を見て、〇〇についてあなたの考えを述べなさい」
→ 資料が与えられるパターン。
「データを引用しながら」書く必要があるので、3パターン中最も自由度が低い。
字数制限が厳しい場合が多いため、序論→本論→結論の構成が使いづらい
(序論や結論は書かず、本論のみを書く)
例:都立日比谷、戸山、青山、立川 など多くの都立高校
2.グラフ・資料読み取り型で三段構成は使うな!

ネットを検索すると、「小論文は三段構成を使って書こう!」という情報がたくさん出てきます

序論→本論→結論 の書き方ですね

はい。でも、この方法はグラフ読み取り型の小論文では使いづらいんです

グラフ型は字数制限が厳しいから、序論や結論を書くと文字数がオーバーしがちなんですね

そうなんです。
グラフ読み取り型小論文で書く内容は、以下の2つだけでOKです!
- グラフから読み取った事実
(資料には~と書かれている)
- 自分の意見
(このことから、私は××と考える)

事実と意見ですね!

そうです!
具体的な書き方は次の章で説明しますね!
3.グラフ・資料読み取り型小論文は「4ステップ」で書こう!

グラフ読み取り型小論文は、「まなびやさん式4ステップ」で書くのがオススメ!
採点基準を網羅した答案が書けるよ!
- 問題文を読む …テーマを推測する / 採点基準を確認する(①)
↓ - 資料を見る …仮説を確かめる / 出題者の意図を読み取る(②)
↓ - メモを作る …①と②に合わせてメモを作る
↓ - 小論文を書く

都立八王子東高校の過去問を例にして、一つずつ説明しますね!
例題:東京都立八王子東高校(令和4年度)
問題文(要約)
- 資料(3つ)
①選挙の投票率の推移
②年齢別の投票率
③選挙に行かなかった理由
- 資料①、資料②に触れながら、日本における投票率の課題を挙げる
- その課題を改善するための改善策を、資料③の内容を活用して書く(300字以内)



※このページ内の資料はまなびやさん塾長が作成したもので、過去問中の資料とは異なります。
正確な問題文と資料は実際の過去問をご確認ください。
ステップ① 問題文を読む

まずは問題文を読みます!
ここで大事なのは以下の2点です
- テーマを推測する
- 採点基準を確認する

一つずつ説明するね!
1. テーマを推測する(=仮説を立てる)

問題文から、その問題のテーマを推測してみましょう!
たとえば…
- 問題が 食料自給率 だったら…
→ 自給率の低さ がテーマになりそう
- 問題が 森林破壊 だったら…
→ 温暖化 がテーマになりそう
- 問題が 電力(発電) だったら…
→ 再生可能エネルギー がテーマになりそう

この小論文で何を書けばいいのか、見当をつけるんですね!

そうです!
今回は「投票率の課題」についての問題ですね。

ということは、「投票率の低下」みたいなテーマになりそうかも…?

いい推測ですね!
「この辺が大事そうだな」と見当をつけてから資料を見ることで、解答の時間を短くできます。
2. 採点基準を確認する

採点基準は問題文を読めば分かります。

今回の問題を見てみましょう。
書くべき内容が2種類、採点基準が5つあると分かります。
▶書くべき内容①:投票率の「課題」
採点基準1:「資料1」「資料2」 に触れながら
採点基準2:投票率の課題を挙げる
▶書くべき内容②:課題の「改善策」
採点基準3:その課題の改善策を
採点基準4:「資料3」の内容を活用して
採点基準5:300字以内で書く

①②について、上の5つの採点基準を満たしながら書けば、必ず合格点が取れます!
ステップ② グラフを見る

テーマを推測して、採点基準を確認したら、次は資料(グラフなど)を見ます

ここで大事なことは以下の3つです!
- 仮説を確かめる
- 出題者の意図を読み取る
- 「書くべき内容」と「出題者の意図」の根拠になりそうなところに書き込みをする

一つずつ説明していきます!
1. 仮説を確かめる

まず、ステップ①の予想(=投票率の低下がテーマっぽい)が本当に合っているか、資料で確認します

資料1を見ると、投票率が右肩下がりになってますね。


はい!
予想と同じ事実がグラフに書かれているので、「投票率の低下」という方向で答案を書いても良さそうだと判断できます
2. 出題者の意図を読み取る

でも、単なる「投票率の低下」だけではダメそうです。
なぜかというと、資料2にわざわざ「年齢別」の投票率のグラフがあるからです

出題者は「投票者の年齢に注目して!」と言ってるんですね

その通りです!
この、出題者からのメッセージ(=意図)を意識しながら資料2を見ると…

- 若年層(20~30代)の投票率が低い
- 高齢層(60代〜70代)の投票率が高い

という、「年齢による投票率の差」が読み取れます。

年齢によって、投票率に大きな開きがある。
これの何が問題なのか、と考えてみると…?
・
・
・

投票率の高い、特定の世代の声だけが政治に反映されそう!

若い世代の声が政治に反映されづらいかも!

いいですね!
そういう課題がありそうだと分かります
「グラフを見る」のまとめ

ここで皆さんに一番理解してほしいのは、「資料は何のために与えられるのか?」ということです。

資料は情報を読み取るためのものと思いがちだけど…出題者の意図、つまり小論文の方向性を読み取るためのものでもあるんですね!

その通り!
出題者の意図が分かるようになれば、どんなテーマでも合格点を取れるようになりますよ!
3. 「書くべき内容」と「出題者の意図」の根拠になりそうなところに書き込みをする

解答の方向性が決まったら、次は資料に印やメモをしていきます

今回の資料だとこんな感じです!
グラフや問題用紙の余白にメモしてね!
▶資料1のメモ(投票率の推移)
- 投票率が右肩下がり
→全体的な投票率の低下が「課題」
▶資料2のメモ(年齢別の投票率)
- 若年層(特に20代~30代)で低い
- 高齢層(特に60代〜70代)で高い
→ 若い世代の声が政治に反映されづらいことが「課題」
▶資料3のメモ(若年層が選挙に行かない理由)
- 選挙にあまり関心がなかったから(A)
- 仕事があったから(C)
- 自分のように政治のことがわからない者は投票しない方がいいと思ったから(K)
→高齢世代と比べて、若者は選挙への関心が低い、仕事で投票に行けない、知識が不足して自信がないことが「課題」


これで、書くべきことはほぼ揃いましたね!

はい!
あとはこれに「改善策」を加えれば、下書きのメモは完成です!
「課題(解答の前半部分)」の解答例:
解答例(前半)
選挙投票率の課題は二つある。
一つ目は、投票率が年々減少傾向にあることだ。
二つ目は、六十代以上の高齢層と比べて三十代以下の若年層の投票率が大きく低いことだ。
投票率の低下で国民全体の声が政治に届きづらいだけでなく、年齢層による投票率の格差により、世代間の分断や対立が問題になっている。(140字)

今回は、
①大きな視点
(投票率の全体的な低下)
②小さな視点
(年齢別の格差)
③2つの関連性
のように、三段構えで書いてみました!
ステップ③ メモを作る

グラフにメモを書き込んだら、それを採点基準(=ステップ①-2)と照らし合わせます。

この段階で足りていない要素があったら、資料を読み直して情報を補ってね!

「全部の採点基準を満たしてるか?」を確認してから書き始めるのがポイントだよ!
▼採点基準(5つ)
採点基準(1~2):投票率の「課題」を、資料1と2に触れながら書く
- 投票率は全体的に低下傾向。
特に2000年以降は低下が激しい(←資料1)
- 中でも20~30代の若年層の投票率が低く、若い世代の声が政治に反映されづらい(←資料2)
採点基準(3~4):課題に対する「改善策」を、資料3を活用して書く
例1:
C「仕事があったから」
- 期日前投票の仕組みをわかりやすく周知する
- 企業に投票への協力を求める(投票日は残業を避けるなど)
例2:
A「選挙にあまり関心がなかったから」
K「政治のことがわからないから投票しない方がいい」
- 政党の政策や候補者の情報をわかりやすく伝える広報を行う
- 政党比較アプリの利用を推進する など
採点基準5:300字以内で書く(目安:240字~300字)

全部を書いたら字数が300字を超えちゃいました…
書きたいことが多すぎる時はどうすればいいんですか?

資料から読み取れる内容を全部書く必要はありません。
出題者の意図に近そうなものや、残り字数に合うものを書くといいですよ!
(今回は「C 仕事があったから」については書きませんでした)
「改善策(解答の後半部分)」の解答例:
資料3のA,D,Kを見ると、選挙への関心の低さや知識不足が若年層の投票を妨げていると分かる。
この課題を改善するために、私は政党や候補者の情報をわかりやすく伝えることが重要だと考える。
具体的には、政党の公約を一覧にしたチラシを人通りの多い場所に貼り出したり、候補者の主張を比較できるアプリの利用を促進したりするべきだ。(160字)
ステップ④ 小論文を書く(解答例)

メモができたら答案を書きます!
【解答例】
選挙投票率の課題は二つある。
一つ目は、投票率が年々減少傾向にあることだ。
二つ目は、六十代以上の高齢層と比べて三十代以下の若年層の投票率が大きく低いことだ。
投票率の低下で国民全体の声が政治に届きづらいだけでなく、投票率の世代間格差により、世代間の分断や対立が問題になっている。(←課題)
資料3のA,D,Kを見ると、選挙への関心の低さや知識不足が若年層の投票を妨げていると分かる。
この課題を改善するために、私は政党や候補者の情報をわかりやすく伝えることが重要だと考える。
具体的には、政党の公約を一覧にしたチラシを人通りの多い場所に貼り出したり、候補者の主張を比較できるアプリの利用を促進したりするべきだ。(←改善策)
(295字)

このように、グラフ型の小論文では事実と意見を書くだけで字数制限いっぱいになります。

確かに、「序論」や「結論」を書く余裕はなさそうですね…
4.減点を避ける方法:「事実」と「自分の考え」をごっちゃにしない!

中3生の答案を添削していてよく見るのが、「事実」と「自分の考え」を混同して減点されてしまうパターンです。

事実と自分の考えですか?

はい。
たとえば、受験生がこんな一文を書いたとします。
どの部分が減点(になり得る)か、分かりますか?
「若年層の投票率が低いのは、残業や休日出勤などで忙しく、投票に行く時間がないからだ」
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正解は、「残業や休日出勤などで」の部分です。

「忙しくて投票に行く時間がない」というのは、資料3の「仕事があったから」とほぼ重なります。

つまり、出題者が事実だと認定してるんだ!

そうです!
でも、「残業や休日出勤が理由で」選挙に行かなかったとは、資料のどこにも書かれていません。

つまり、自分の考え(=勝手に予想したこと)ということですね。

はい。
これは「資料を活用して」という採点基準に沿っていないので、加点対象になりません。
運が悪ければ減点対象にもなります。

だから、グラフ型の小論文で減点を避けるためには、以下の2つをきっちり区別することが大切です!
- グラフに書かれている「事実」
- グラフを見て感じた自分の「考え」(=予想や推測)
5.まとめ

最後にまとめです!
グラフ読み取り型の小論文は、以下の順番で書くのがおすすめです。
- 問題文を読む:テーマを推測する / 採点基準を確認する(①)
↓ - 資料を見る:仮説を確かめる / 出題者の意図を読み取る(②)
↓ - メモを作る:①と②に合わせてメモを作る
↓ - 小論文を書く:「事実」と「推測」を区別して書く

上達のコツは、何と言っても過去問演習です。
志望校と似た形式の過去問をいくつも(少なくとも3~4年分×3周くらい)解いてみてください。

答案の書き方にはコツがあるから、それを身につければどんなテーマでも対応できるようになるよ!

高校推薦入試の小論文って、倍率は高いけど対策する受験生がすごく少ないんですよね?

はい!
なので、きちんと対策すれば合格率はグンと上がるんですよ!

今後、さらに詳しい解説や志望校別のオンライン授業なども実施するかもしれません。
その場合は塾長のnoteで告知いたしますので、フォローしていただけたら嬉しいです!
