国語が好きになるイベント「国語のひろば」、大好評でした。

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こんにちは!
今日は、10/18(水)に行われた小学生~中学生対象の読書・作文イベント「国語のひろば」のことについて書きます。

【1分で分かる】「国語のひろば」って何?

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↑これです。

・小学3年〜中学3年生(+その保護者)の10人が集まって
・小説『バッテリー』を一緒に読んで
・「なんで巧(主人公)はこの場面でイライラしてるの?」
「野球部エースの巧に変化球を教える、祖父の洋三って何者?」のように、感想や疑問を90分間話し合うと…

・いつの間にか、登場人物の気持ちが分かるようになってる!文章の意味が理解できてる!

それが、国語が好きになるイベント「国語のひろば」です。
東京都葛飾区で、今月から開催しています。

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写真でダイジェスト

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「『ブルーギル』ってどのくらいの大きさ?」
「フナと間違えたくらいだから、結構大きいんじゃない?」
「(ブルーギルと)+バケツと水だから、結構重いはず。」
→ブルーギルと水の入ったバケツを片手で軽々と持っていた「豪」の腕力が、
どのくらい強いのかについて話し合っている場面。

読書会は、子どもたち自身が「この部分について話したい!」と問いを立てるところから始まります。
みんなで意見を出し合いながら、協力してその謎を解いていきます。

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「巧のじいちゃん、現役時代は新田高校を率いて甲子園に出場。春4回、夏6回だって!」
「すご~い!!笑」
「洋三すげぇ!!笑」
「だから巧は洋三のこと『さすがだな』って思ったのか~!」

右側の男子が、書籍版『バッテリー』の中から新情報を見つけ出した瞬間。
(補足:子どもたちから、「野球部エースの主人公に変化球を教えるおじいちゃんって何者?」という疑問が出ていました)

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お茶を飲みつつ、和菓子も食べつつ。
「楽しみながら国語の力を育てる」が、この読書会のコンセプト。

「みんなで話す楽しさ」を原動力にして、子どもたちが主体的に学べる仕組みになっています。

子どもたちの表情を見ていると、とても楽しそうですよね。
相当面白い本を読んでいるんだろうな~と思いますよね?

でも彼らが読んでいるのは、実は…

塾のプリント教材(=テストの問題)

なんです。
ただおしゃべりしているように見えて、彼らは国語の勉強をしています。

※『バッテリー』は中学入試にも出題されたことのある文章。
ちなみに、この日の最年少は小学3年生でした。

「国語の問題を解いてるのに、楽しい。」読書会という学び方

子どもたちの手元にあるのは、塾の教材(プリント)です。しかも10枚。物語文『バッテリー』の単元です。
つまりこの読書会では、普段は子どもたちがテストとして解く文章を、課題文にしているんです。

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↑このことに、子どもたちに気づいてもらう。
「国語のひろば」はそのためのイベントです。

子どもの主体性を引き出す方法

私は20年間、受験業界で働いてきました。
そこで思い知らされたのが、子どもの「意欲」の大切さです。

御三家のような超有名校の教師でも、どんなに優れた予備校講師でも、「目の前の文章を理解したい」という意欲のない生徒を伸ばすことは、絶対にできないんです。

じゃあどうしたら子どもたちに、自発的に「目の前の文章を理解したい」と思わせることができるのか…。
試行錯誤の末にたどり着いたのが、この「読書会で国語を学ぶ」という手法でした。

子どもたちがどのくらい自発的に「目の前の文章を理解したい」と思っているか、上の写真から伝わってくると思います。
90分間で、彼らは何度も何度も本文を読み返していました。
子どもたちがプリントをめくる音が、とにかくすごいんです。

読書会の教育的根拠 ~なぜ子どもたちが国語のテストを楽しめるのか? ~

こんな半分遊び(みたいに見える)勉強の仕方だと、本当に学力が身につくのか心配な保護者の方もいらっしゃると思います。
しかし、この「読書会で国語を学ぶ」という方法には、きちんとした根拠と実績があります。

(専門的な内容が多いため、この記事では簡単な紹介にとどめます。また後日、別で詳しい記事を書く予定です。)

◆読書教育の歴史と実績

・読書で国語を学ぶ手法は、欧米を中心に、特にアメリカで広く行われています。

・読書教育の実践者で世界的に有名なのは「ナンシー・アトウェル」です。
2015年、教育界のノーベル賞と呼ばれる「グローバル・ティーチャー賞」を受賞した教師です。

◆理論と実践

【参考にさせていただいている先生方】

・渡邉光輝先生…お茶の水女子大学附属中学校の国語の先生。読書会を取り入れた授業を実践されています。

・澤田英輔先生…軽井沢風越学園の国語の先生。
アトウェルの「リーディング・ワークショップ」「ライティング・ワークショップ」を学ぶために、実際にアトウェルに会いに行かれたすごい先生。
風越学園でワークショップ形式の授業を実践されています。

・苫野一徳先生…哲学者であり、教育学者。
読書会には欠かせない「対話」の手法を、哲学の理念を元に分かりやすく解説されています。

【参考にしている専門書(一部)】

吉田新一郎氏の「読む力」「書く力」論

【見学させていただいた小学校・中学校・高校】

(筑波大学附属小学校の記事は近いうちに書こうと思います)

専門書で理論を学びつつ、偉大な先生方の実践にならいながら、読書会を設計しています。

【まとめ】国語を楽しみながら学ぶ選択肢を、全国の子どもたちに

様々な学校の授業を見学して、先生たちともお話しさせていただいて、気づいたことがあります。
それは「子どもたちが夢中になるほど面白くて、しかも国語の力が身につく授業を作れる先生が、日本の学校にいるんだ!」ということです。

しかし同時に、
「その先生の授業を受けられる子は、ほんの少ししかいない」
ということにも気づきました。
楽しみながら学べる形式の国語の授業は、ほとんどが私立や国立の学校で行われているからです。

現状では一部の、特殊な学校に通う子たちしか受けられない授業を、もっと多くの子どもたちに体験してほしい。
「日本には、こんなに面白い勉強の仕方をしている学校もあるんだよ」と、子どもたちが勉強の面白さに気づくための「入り口」を作りたい。

国語を楽しみながら学ぶ選択肢を、全国の子どもたちに届けたい。

この目標の第一歩として、まずは葛飾区金町で読書会イベントを開いています。

お申込みはこちら

葛飾区近辺にお住まいの方は、ぜひ「国語のひろば」に参加してくださると嬉しいです!
10/24時点で残り3席となっています。

11月の課題文は『ふしぎなことば ことばのふしぎ』
大学で学ぶ「言語学」について、小中学生向けに易しく書かれている説明文です。

・自分は文系だ!と思う人
・外国語系、国際系、文化系、社会系の学部に進むかもしれない人
・英語や国語、社会が好きな人。好きになりたい人

に特におすすめのテーマです。
大学でどんなことを学ぶのか、いま小中学校、高校で学んでいる英語や国語、社会の勉強が、大学の勉強にどうつながっていくのかが分かる回です。
高校生、大学生、そして親子でのご参加も歓迎です。

ぜひnoteをフォローしてください!

地理的に参加が難しい方は、SNSをフォローしてくださると嬉しいです。
将来的にはオンライン開催を目指しているので、情報を随時発信していく予定です。

引き続き、東京都葛飾区で開催中の「国語のひろば」の応援をよろしくお願いいたします!