こんにちは!
私は小中学生を対象に「国語の教科書を課題本にした読書会」を主催しているのですが、ついに第一回目を開催することができました!
予想を超える大成功だったので、同時に開催したイベントも含めて結果報告をします。
参加者から寄せられた感想
🌟星の花が降るころに(中1の国語の教科書 光村図書 原文ママ)
・色んなことを読み解いていって、どんどんわかってきて楽しかった!
・謎解きみたいでいろいろ意見がでて楽しかった
・とにかく楽しかった
・国語の教科書の話しがこんなに楽しいと思わなかった。初めて楽しい勉強だった!
・学校ではあまり気持ちを話せないけど、今日は自分の気持ちを沢山話せて嬉しかった!
🌟朝井リョウ「スター」(都立日比谷高校の過去問)
・初めての読書会、緊張しないで楽しんでやれた。また絶対にやりたい‼月に一回くらいやりたい!
・凄い楽しかったのと、凄いためになったのと、凄い新しい発見がたくさん見つかった
・家族でも、考えてることやモノの見方がこんなに違うってことが面白かった!
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この感想を見ただけでも、読書会の面白さが伝わってきませんか?
そうです…教科書読書会は子どもにとっても保護者にとっても、すごく面白いんです!
この面白さを、もっとたくさんの人に伝えたいんです…!
【ざっくりレポート】写真でダイジェスト
イベント①:国語の教科書&過去問読書会
情景描写について、小5の女の子からの質問。
「鐘ヶ江はコーヒーを飲まないのに、なんで何回も『カップを持ったり置いたり』するの?」
登場人物の動作やクセの意味に注目した話し合いをしました。
「作者の意図(=伏線)に注目しながら読むタイプ?それとも全然伏線に気づけないタイプ?」
過去問の伏線を読み取る話が、いつの間にか「アナと雪の女王」のハンス王子の正体に気づけたかどうかの話題につながり、盛り上がりました 笑
文章の読み方は人によって全然違います。その違いを通してお互いを知り合えるのも、この読書会の魅力の一つです。
イベント②:専門家が本選びからフルサポートする「読書感想文ワークショップ」
まずは「自分に合った本選びのコツ」について説明
近くの図書館に移動して課題本を選びました
「付せん読みのやり方」を学んで、さっそく実践
2日間のイベントでほぼ全員が読書感想文を書き上げました!
・読書感想文ワークショップは定員5名に対して7名の申込みがあり、好評のうちに終えることができました(^^)
・教科書&過去問読書会は急きょ公文の先生と保護者の方も参加して「親子で国語の教科書を読む読書会」になりました。
中でも特に私の印象に残っているのが、当日急きょ参加が決まったCさん(小学5年生)の発言でした。
小学生が、中学の教科書や高校の入試問題を読めるのか?
想像していた以上に読めて驚きました。
たった二時間読んだだけで、平均的な中学生よりもはるかに深く教科書を読めていたんです。
彼女がどんなふうに教科書を読んだのか、そのやり取りを紹介します。
🌟星の花が降るころに
~ここまでの話の流れ~
物語の終盤に銀木犀のそばで、主人公(親友と仲違いしてしまった中1の女の子)が、掃除をしていたおばさんに話しかけられるシーン。
主人公:「え、(常緑樹である銀木犀の)葉っぱはずっと落ちないんじゃないんですか。」
掃除のおばさん:「まさか。どんどん古い葉っぱを落っことして、その代わりに新しい葉っぱを生やすんだよ。そりゃそうさ。でなきゃあんた、いくら木だって生きていけないよ。」
このやり取りで交わされる、言葉の意味が話題に上がりました。
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古澤:ここの「葉っぱはずっと落ちないんじゃないんですか」という言葉、「葉っぱ」の話をしているわけじゃないと思うんですよね。
これは葉っぱになぞらえて、友情のことを言ってるんじゃないかな。
「(主人公と夏実との)友情って、永遠のものなんじゃないんですか?」って、主人公がおばさんに問いかけてるんだと思う。
Cさんのお母さん:え、でもそうすると「友情が枯れて落ちる」っていう意味になっちゃいますよね。なんかそれは嫌だな~。
これは友情のことじゃなくて、「主人公が、古い葉っぱを落として成長していく」っていう意味なんじゃないかな?
Cさん:(小声で)あ、そっか!
古澤:ということは…「葉っぱはどこに落ちると思う?」Cさん。
Cさん:木の下、自分の根っこのところ!
古澤:ということは、この場面にはどんな意味がありそう…?
Cさん:主人公みたいにいろいろ失敗したりするけど、それが自分の栄養になる。失敗が栄養になって成長できる!
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…すごくないですか?
私は20年近く塾講師をやっていますが、こんなに深い読み方をできる中学生を見たことがありません。
Cさんは国語が特別に得意とか、進学塾に通っているとか、そういうわけではありません。
そんな子がたった二時間、「読書会という方法で」読んだだけで、これだけ深く教科書が読めるようになったんです。
しかも、冒頭の感想にこうあります。
・国語の教科書の話しがこんなに楽しいと思わなかった。初めて楽しい勉強だった!
そう、教科書読書会は楽しいんです。
子どもが楽しいと感じるからこそ、「もっと学びたい!」という気持ちが出てくる。
だから深く学べる。
大人に言われなくても学び続けられる。
これが、私がもっともっとたくさんの人に受けてほしいと思っている「国語の教科書読書会」なんです。
勉強の苦しさの原因は「締め切り」と「評価」
塾業界で働いている先生たちは同意してくださると思うのですが、塾の先生って常に締め切りに追われてるんですよね。
・次の模試までに、A君の偏差値を5上げないといけない
・次の定期試験までにBさんの得点を30点上げて、5科の内申を3上げないといけない
みたいな。
受験という最終締め切りがあるので、常にそこに向けての短期目標の達成を迫られています。
そしてこれは、そのまま子どもたちにも当てはまるんですよね。
模試の点数や先生からの印象など、常に
「志望校に合格するためには、いついつまでに、これだけ評価を上げないといけない」
という締め切りに追われています。これがすごく苦しいんですよね。
読書会という学び方は、この苦しさを解消できると確信しています。
小学生が「楽しみながら入試問題を読む」ことのメリット
普通、中学生が国語の過去問を解き始めるのは、早くても中3の夏期講習の後半ではないでしょうか。
そうすると、過去問に取り組める時間は半年くらいしかありません。
それに、主要教科の英数や直前の伸びが期待できる理社と比べて、国語に割ける時間はかなり少ないです。
短期間で伸ばすには、国語はタイムパフォーマンスが悪いんです。
でも今回、Cさんは小学5年生の時点で高校の過去問を読みました。
しかも、普通の中学生を遥かに凌ぐくらい深く読めたわけです。
そしてCさんは、高校受験まであと4年半もあります。
月に2回とかでも、お茶やお菓子を楽しみながらこの読書会を続けたら…
普通の方法(=過去問演習の期間を半年間に凝縮する方法)よりもずっと、楽しみながら受験をクリアできると思いませんか?
読書会で勉強した方が、国語が好き&得意になれる確率が高いんです。
「勉強=つまらない」という思い込みを覆したい
去年一年間でいろいろな中学校や高校をまわり、それぞれの生徒さんと話してみて感じたのですが、やっぱり「勉強はつまらない」というのは大人世代の思い込みだと思います。
自治体ぐるみで探究学習に力を入れている宮崎県立飯野高等学校も、
偶発的な出会いから学びが始まる軽井沢風越学園も、
私たちの学生時代には想像もしなかったような教育方法が編み出されて、実践されています。
そこで学んでいる生徒さんの多くは、やっぱり勉強するのが楽しそうでした。
私はこういう「今のところ一部の学校でしか受けられない教育」を、学校の外でも受けられるようにしたいです。
「勉強を楽しんでみたい!」と望む子に、それができる選択肢を作ってあげたいです。
そう思って、国語の教科書読書会という事業に挑戦しています。